巣穴観察日記
「巣穴」2020年■月■日
巣箱の巣穴担当の観察日記である。
NO.1

観察一日目。■■■■■にある■■■■にて、巣箱を発見した。巣穴の発見者はMr.■■■■。
■月■日の午後1時頃に発見。そして私の元に届いたのは発見から数日後となる。
まず、前提としてこの巣穴は、本当に穴だろうか。巣箱自体は木材で作られたかのような見た目をしている。
私は裏側から穴みつめて見たい意志に駆られた為、
巣箱を解体し、穴のある部分の木の板のみを観察することにした。

巣穴だと思っていたソレは、
穴ではなく、ただのくぼみであった。
裏から見た穴の部分は凸になっている。
どこか島々のようにもみえるし、私の住む世界を苦しめるウイルスのようにも見える。
凹凸の凸。凸があれば必ず凹が存在する。
穴は、完全に空洞、無なのだが、
凹ならば、裏を返せば凸になる。
2020年という年は、ぽっかり穴があいて失われた年だっただろうか。
凹凸のように、
ただ凹んだだけで、
そして凹んだおかげで、
例のウイルスと共生する凸が誕生した。
この穴だと思った窪みは、裏を返せば、
新たな島の誕生だったのかもしれない。
今後もこの巣穴の観察は続けていこうと思う。
担当調査員:AO
20■0年■月■日に記載(巣箱研究所にて一部修正済み